
「ぬれティッシュ」平元文雄
先日、6年生の大会である三雲杯がサンビレッジ甲西で行われました。朝から小雨が降る、グラウンドコンディションとしてはよくない状態でした。
当日、甲賀トレセンチームの湖東カップ参加により、トレセンメンバー
の、りおんくん、ともやくんは抜けていました。
私はこの二人がいないなかでも、力強いプレイをしてほしいなと願っていました。結果はここんところ招待試合で続いている準優勝でした。
準優勝もすごい なと思うのですが、指導者としてはより高みを獲得してほしいと思います。これだけ準優勝が続くということは、何かが欠けているのでしょうかね。
さて、本題です。
閉会式を終えて子どもたちは菩提寺のテントのある場所に帰ってきました。そこで着替えだすわけですが、女子のあづきちゃんがストッキングを脱いだ後、土で汚れた足を、自分が用意してきたぬれティッシュを出して拭き始めました。汚れたぬれティッシュはきれいに積んでおいています。反対の足も同じようにした後、乾いたタオルで足を拭いて、そのあと靴下を履いていました。
隣にいたジオゴくんに、「あづきちゃん、あんなんしてはるで」と言うと、ジオゴくんは、「そんなん邪魔くさくて、オレはしない」と言いました。私も長い間サッカーに関わってきましたが、ぬれティッシュで足を拭く選手を初めて見ました。夏場の試合なら、水道で足を洗う子もいたでしょうが、冬場の試合では水道で足を洗うのも冷たくて邪魔くさくて、拒む子が多いと思います。
でも、あづきちゃんはぬれティッシュで足の泥を落としたのです。
男の子と女の子の違いもあるでしょうが、すごくいい光景を見ました。
お母さんから、「今日はこんな天候だからぬれティッシュ持っていき」と、
言われたのかもしれません。そうだとしたら、お母さんも素晴らしいジャッジだと思いました。なかなかこんな配慮はできないですね。
ぬれティッシュを奨励するわけではありませんが、この行為には「てい
ねいさ」があります。
サッカーにおいても一本のパス、一本のシュート、また、言葉かけにも
「ていねいさ」は必要です。準優勝から優勝へのハードルを飛び越えるの
には、この「ていねいさ」が必要なのではないかとふと思いました。
保護者や子どもたちの言動から学ぶ指導者でありたいものです。
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